ラッキーブリ大根

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じいちゃんの家に寄り、帰ろうとしたところにちょうど母さんがやってきて、今から僕の家の近所のスーパーに行くから一緒に行こうと誘われた。

二つ返事でスーパーについて行き、ショッピングカートにカゴを乗せて歩く母の後を歩くと、母さんが「ボリもカゴを持ってきない」と言うので、誘われた時点でちょっと気付いてはいたけど何か買ってもらえるパターンだと理解した。

理解したが、勘違いでは恥ずかしいし、そもそも別に買ってもらわなくてもいいけど、買って貰えるならそれは普通に嬉しいので、買ってもらえるのかどうかと直接聞いてからスーパーマーケット内の物色を始めた。

家の近所にある、普段からよく使うスーパーマーケットなので、僕は自分がいつも何を買うことを我慢しているかよく知っていた。

それは海産物だった。僕は肉か魚から食事を選ぶ場合、肉に飽きたりしていない場合以外は基本的に肉を選ぶ。

だから、食べたいけど肉に負けていつも買わない海産物を買ってもらいたいと考えた。

海産物といっても様々な種類がある中から、普段買うことを我慢している「タコの刺身」と、量と値段が超お得な「ブリのアラ」をカゴに入れた。

母さんと合流すると、母さんはカゴの中を見て「アラ料理作るの?」とそういう物を買うとは思わなかったというような表情を見せた。

買い物が終わり、店を出て、母と別れて家に帰り、ブリのあらを使ってブリ大根を作り始めた。

前にブリ大根を奥さんに作った時、醤油も砂糖も入れ過ぎて味が濃くなってしまい、あまり食べてもらえなかったので、今回は入れ過ぎないように注意して、様子を見ながら慎重に煮込んだ。

煮込み終わったブリ大根は、コンロから離して置き、他の食材を調理した。

数品作り終わると、ブリ大根を再度コンロで、温め直し、お皿に盛り付けて食卓に運ぶ。

皿に綺麗に盛ったブリ大根を見て、今日、偶然母さんと出会い、買ってもらったブリを使って作ったブリ大根を食せることは、当たり前の事じゃない、同じ味のブリ大根はひとつも無いんだ。

なんてことを思うことはなく、大した感謝をすることもなく、自分で何度も味見をして作った、少し醤油が濃いめで、大根に味があまりしみていない、なんとも言えない出来だが食べるのには問題ない普通の味に似た味のブリ大根をいただいた。

そんな僕の隣で、奥さんはブリ大根が前より美味しいと言い、沢山食べてくれた。

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